新元号「令和」記念。美しい万葉集の世界を身近に感じてみませんか?

新元号「令和(れいわ)」が2019年5月1日に改元されます。
「令和」の由来となった「万葉集」。
実は、当店の人気デザインを手掛ける絵本作家、まつしたゆうりさんは
大ヒット書籍『よみたい万葉集』の挿絵と文章を手掛けられています。

まつしたゆうりさんに「令和」発表後の反響と万葉集の思いについて、インタビューを行いました。
この機会に美しい万葉集の世界をご覧ください。

新元号「令和(れいわ)」は万葉集から採用されました。

「令和」は奈良時代、福岡県太宰府市にあった大宰府の長官、大伴旅人(おおとものたびと)邸で開かれた「梅花宴(ばいかのえん)」(梅の花を見る宴会)で詠まれた32首の歌の序文から採用されました。

 

―万葉集「梅花の歌」序文―

初春の月にして、
気淑(よ)く風ぎ、
梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き、
蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。

―万葉集入門より引用―

 

ここでいう梅の花は「白梅」
当時、梅の花は中国から輸入されたとても珍しいお花で、大変な人気だったとか。

 

まつしたゆうりさん インタビュー

当店の人気デザイン「銀河鉄道の夜」の作者でもおなじみのまつしたゆうりさん。
まつしたさんは昔から古典文学が好きで、万葉集にも親しんでおられました。
今回、元号「令和」へのご感想、万葉集の思いをインタビューしました。

Q.新元号が万葉集由来の「令和」になったご感想は?

A.純粋に「うれしい」と思いました。

「元号を日本の古典からとろうという動きがある」という噂を聞いたときからわくわくしていました。
でも、万葉集とは思っていなかったです(笑)

あっても、『古事記』か『源氏物語』かな?と。

Q.「令和」発表後、周囲の反響はありましたか?

A.『よみたい万葉集』の重版が決まり、たくさんの方からメッセージをいただきました。

4月1日の夜に『よみたい万葉集』重版の連絡を出版社さんからいただき、それにあわせて帯をリニューアルしようということになりました。

3日だったか、Amazonのサイトで検索したら在庫切れとなっており、出版社さんからも在庫切れの連絡を受けたことで、予想以上の反響にびっくりしました。

6日にちょうど『よみたい万葉集』の読書会に参加したのですが、サインに「令和」といれて欲しいというご要望があったりも(笑)

たくさんの方からメールや電話でメッセージも頂き、応援してくださっている想いを改めて感じました。本当にありがとうございました。

 

『よみたい万葉集』をチェックする(出版社サイト)

よみたい万葉集

Q.由来となった「梅花の歌」について教えていただけますか? 

A.32名の詠み人が、梅の花のいろんな良さ、推しポイントを教えてくれます。

主催の大伴旅人さんの家に31名のお客様が招かれ、それぞれ梅の花をテーマに歌を一首ずつ詠まれたそうです。

「散る梅の花は雪のようだ」や「梅の花を髪に挿してお酒を飲もう」など、32首続けて味わうと、楽しそうな宴の雰囲気が伝わってきます。

この宴が催されたのは、今の暦では2月8日。太宰府で梅の散る時期は3月上旬らしいので、「梅が散っている姿を妄想し、楽しんでいたのでは」という説もあります(笑)

『よみたい万葉集』でも梅花宴の歌を一首だけご紹介しているのですが、なんと「意味ないよね…な歌」として、万葉新聞のミニコーナーに掲載しております。

梅花の歌

(『よみたい万葉集』より抜粋・出版社様より許可をいただいて掲載しております)

 

いつだったか、監修の先生との対談中に「意味ない歌に思える」と、この歌を教えていただいたのが、私には目から鱗の出来事で!

それまで無意識に「どんな歌も素晴らしい歌のはず」と思って接していたことに気付き、「どう感じるか」に正解は無い、自分の感じるまま、素直な気持ちで楽しんでいいのだなあと思えて、歌をより身近に感じられるようになったのです。(普段聴いている音楽と同じだと思っていただけたら分かりやすいかも! いい歌に感じかるかどうかって、人によりますよね。)

もちろん、いろんな方の解説や歴史を読み込んで楽しむ方法もありますし、自分に合う楽しみ方で、どんどん触れてみてほしいです。この歌も、いろんな方の解説を読むと違った角度から見えてきて、とっても面白いですよ!

Q.万葉集の魅力とはなんでしょうか?

A.技法ではない、心に響くストレートな歌が多いところです。

私が万葉集に強く惹かれるきっかけになったのは、NHKで放送されていた『日めくり万葉集』という番組でした。
この番組では、音楽家や大工さん、生物学者など様々な職業の方が、自分の心に響く歌を一人一首ずつ紹介されており、その選び方、感じ方が、その人の生き方とリンクしているところが面白くて。「人それぞれの感じ方」にとても興味が湧きました。
万葉集は恋心や、自然を美しく思う気持ちを素直に詠んだ歌も多く、難しいことを知らなくても心にストレートに響いてくる感じがします。

知識込みで楽しむ歌もあるけれど、知識がなくても楽しめる。

無人島に持っていく一冊は、迷わず『万葉集』と答えるくらい、無限に楽しめると思っています。

さいごに(まつしたゆうりさんからのコメント) 

『よみたい万葉集』監修の村田先生のあとがきの一文

《声に出して詠んでみよう。少しでも心の動きを感じたらそれはもう、「私の歌」》

というのが大好きで、書籍の帯にも使わせていただきました。

「私の歌」と思えるくらい心に響く一首に出会えたとき、歌って何て楽しいんだろう!と心がときめきました。

『万葉集』は約4500首もの歌がおさめられた歌集です。

いうなれば、約4500の歌が入ったオムニバスアルバムのようなもの。聴き込むうちに、きっとお気に入りの歌、「私だけの歌」に出会えると思います。

メールのように遣り取りされた歌や、日記のように綴られた歌…今と変わらない「1300年前の心」に、ぜひぜひ会いに行ってみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

初めて日本の書籍から採用された元号「令和」。

色んな思いのつまったこの元号を、それぞれみなさんの感じる思いで迎えたいですね。

まつしたさん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

万葉集をモチーフにした、
まつしたゆうりさんデザインのスマホケースは大人気。

デザインにこめた思い、元となった歌とともにご紹介します。

①しづく

しづく

しづくシリーズ

我を待つと 君が濡れけむ
あしひきの 山のしづくに ならましものを

(訳)私を待って あなたが濡れたという
   (あしひきの)山の雫に なれたらよかったのに
石川郎女

>「君を待ち続けて、山の雫に濡れてしまったよ」という
 男性の歌へのお返事。優しく包み込むような雫を思い浮かべました。

 

②雪の白椿

白椿雪の白椿
我が門の 片山椿 まこと汝れ
 我が手触れなな 土に落ちもかも

(訳)私の庭の 岡の椿よ 本当に君は
   この手が 触れない間に
   地に 落ちないだろうか
物部廣足

>「知らないうちに誰かのものになってしまわない?」という
可愛いやきもちからのお手紙。好きな子を、可憐な椿に喩えています。

③水辺の山吹

山吹山吹
かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて
 今か咲くらむ 山吹の花

(訳)河鹿蛙の鳴く 神の住む地を 流れる川に
   姿を映して 今こそ咲くだろう 山吹の花
厚見王

>カジカガエルの、小鳥のような可愛い鳴き声が響く澄んだ川。
それを水鏡にして、満開の山吹が咲き誇っています。

④蓮

蓮

蓮
ひさかたの 雨も降らぬか
 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む

(訳)ひさしぶりの 雨よ降ってよ 蓮の葉に
   溜まった水の 真珠に似ている 姿を見たい
詠み人知らず

>蓮の葉に溜まった水を真珠に見立て、雨を乞う歌。
暑さをふっと忘れさせてくれます。

⑤文様《千重》

文様

文様千重

心には 千重に百重に 思へれど
  人目を多み 妹に逢はぬかも

(訳)心では 幾重にも幾重にも 思っているけれど
   人目が多くて 君に逢えていないことだよ
詠み人知らず

>当時は人に知られないように逢瀬を重ねるのが常だったよう。
大好きな人のために、逢いたい気持ちをぐっと抑える男性の歌です。
※「妹」は「いも」と読み、愛する女性への歌の上での呼び掛けの言葉です。

天平文様のスマホケースが購入できるのはsumaccoだけ。

sumaccoではまつしたゆうりさんの作品以外にも、万葉時代の柄をシリーズとして展開しています。

「天平文様」シリーズ

天平文様(正倉院文様)とは 奈良・東大寺正倉院に伝わる工芸染織品に多くみられる文様の総称です。
天平時代の文様が最も多いですが、飛鳥、白鳳時代の文様も含まれます。
正倉院はシルクロードの終着駅ともいわれ、ローマ、ペルシア、インド、西域、中国など西方諸国の影響を受けた文様が多く伝えられています。

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